⑤ うわー地震だ!!(その1)
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昭和56年(1981年)以前の建物は
●耐力壁の量が少なすぎて、倒壊する可能性が「特大」
新築当時当たり前の基準も、今となっては
圧倒的にすじかいなどの量が少なすぎます。
特に、屋根に重たい瓦、壁に重たい土壁、建物の老朽化が進んでいる場合、
本当にまばたきする間もなく中に居る人ごと「一瞬で瓦礫の山になる」
可能性があります。
●時代を経ているので、雨漏れや白蟻被害で建物が傷んでいることも多い
雨漏れや白蟻被害に気づかず放置されていると、
骨組はボロボロになり、被害が生じやすくなります。
地震の揺れの初期に倒壊する可能性があります。
すじかいなどの量は、実際に調査しなければわかりません。
昭和56年以前の建物は、今よりも世間常識が大幅に「大雑把」だったので、
建てる大工さんや、設計者によって、個性があり、一様ではありません。
「大雑把」であった分、悪い面で、違いがあるのです。
ですから、量だけで無く「どういうすじかいなのか」も含めて調査しなければ、
実状はわかりません。あの年代だからと、類推するのは危険なのです。
ひとつとして同じ建物はないのですから。
マメ知識「木材」の寿命
木材は、環境によって劣化の度合いが大きく違います。
樹種にもよりますが、健康な状態を保てば百年以上大きな強度の低下は起こりません。桧などは七百年経った頃が最も固くなるとも言われています。
木材が傷む(劣化する)原因は、主にふたつ
①湿気:
木材は湿気を一番嫌います。雨漏りなどで常に湿った状態だと
「腐朽菌」により数年でボロボロになります。
②白蟻:
白蟻は見えないところが大好きです。地面から昇って木材の表面だけ残して、中から蝕んでいきます。イエシロアリは地面と行き来して水分を補給するため、建物全体に被害が及ぶことがあります。新種のアメリカカンザイシロアリは、飛来して巣くい、一度侵入すると駆除が非常に困難です。白蟻は、隣地が建替えや新規開発(畑が分譲住宅になる等)で環境が変わると、
こちらの敷地に引っ越してくることもあります。